ポリアセタール樹脂(POM・プラスチック鋼)について

基本紹介

正式名称はポリオキシメチレン(Polyoxymethylene, POM)、別名ポリアセタール、アセタール、プラスチック鋼とも呼ばれ、結晶性プラスチック(セミクリスタリン)の一種であり、強靭で剛性・高い機械的強度を持つため、エンジニアリングプラスチックとしてよく利用されています。化学式は(CH2O)nです。

POMは製造方法の違いにより、ホモポリマー(均一重合体)とコポリマー(共重合体)に細分されます。それぞれの違いは以下の通りです:

  • ホモポリマー(Polyoxymethylene-Homopolymer, POM-H):結晶性が高く、密度・融点・靭性・剛性も高いため、機械加工性が優れていますが、安定性が劣り、加工が難しいです。
  • コポリマー(Polyoxymethylene-Copolymer, POM-C):より高い耐薬品性と低い融点、優れた熱安定性と化学的安定性を持ち、加工が容易です。

 

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**本記事は学術参考用のみであり、プラスチック原料の販売サービスは行っておりません**

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素材特性

1. 熱可塑性プラスチック材料の中で、最も金属に近い特性を持ち、丈夫で耐久性が高く、「プラスチック鋼」とも呼ばれます。

2. 優れた剛性と靭性があり、全体的に引張強度、耐疲労性、曲げ強度が高いです。

3. 優れた耐加水分解性。

4. 機械加工性が良く、耐摩耗性・耐衝撃性に優れています。

5. 吸湿性が低く、特に湿度の高い環境でなければ、通常は乾燥工程が不要です。

6. 低クリープ性・長期寸法安定性が良好。

7. 優れた電気的特性・絶縁性。

 

性能上の制限・欠点

1. 耐候性が低く、紫外線に長時間さらされると力学的性能が低下し、変色・亀裂・表面の粉化が発生します。

2. 強酸、強アルカリ、酸化剤による腐食を受けやすいが、弱酸にはある程度耐えます。

3. 一般グレードのPOMは燃えやすく、着火源を取り除いても燃焼し続け、燃焼時に刺激臭(ホルムアルデヒド臭)を発します。

4. 成形収縮率が大きいため、金型設計時には寸法収縮を考慮しないと、成形品の寸法が合わない場合があります。

5. 印刷ができないため、模様やロゴを加えたい場合はレーザー加工を検討できます。


生産方法

  • 主な成形方法:射出成形が最も一般的で、その他にブロー成形、押出成形、圧縮成形などがあります。
  • 着色性が良く、マスターバッチやカラーパウダーを使って多彩な色のプラスチック部品が作れます。表面には印刷やめっき加工も可能で、豊富な外観を提供できます。
  • UV安定剤を加えることで耐候性を改善し、紫外線下でも長期間使用できます。そのため、アウトドア用品にも多く使われています。


用途範囲 POMは機械的性能が優れ、表面が滑らかで緻密なため、高級な電気絶縁材料としても用いられています。化学部品、精密機械部品、駆動部品などの製造に広く使われ、日常生活でも多くの製品に利用されています。主な用途は以下の通りです:

  • 自動車:シートベルトバックル、インパネ部品、トランク用バックルなどの自動車部品
  • 機械機器:ギア、ベアリング、フレキシブルカム、パイプバルブ、ポンプボディ、工作機械など
  • 農業・漁業:一部金属部品の代替、ネット用フックなど
  • 衣類・アクセサリー:バッグ用バックル、作業服のパーツ、シューズバックル、スナップボタンコードストッパーなど
  • レジャー・アウトドア:登山用品、キャンプ用品、スーツケースのストラップバックルなど
  • 軍用:軍用バックル、高耐荷重型バックルなど
  • その他:カーテンスライダー、文房具、ペット用首輪バックル、ペットリード、ベビーチェア、ベビーカー(チャイルドシート)バックルなど